家族信託、民事信託

 

民事信託とは

近年、福祉型の民事信託が注目されています。
これは、年少者や高齢者あるいは障害のある人等の生活の支援や財産の管理などを行うために、信託という法的仕組みを活用するものです。
この信託は、ある人(「委託者」といいます)が、高齢の自分や配偶者、あるいは未成年の子や障害のある子など、家族・親族その他の人(「受益者」といいます。)の幸福な生活の確保など目的を定め、所有する不動産や金融資産などの財産(「信託財産」といいます。)を、信頼できる人(「受託者」といいます。)に託し(名義を移し)、受託者が、定められた目的に従って、受益者のために信託財産の管理・運用・処分を行い、受益者に対して信託財産(預貯金や不動産の運用益等)から生活費や医療費などを給付するなど、定められた目的達成のために必要な行為(信託事務)をするという仕組みです。

民事信託に適した人

民事信託はどのような人のために利用されるのでしょうか。

受益者は、信託契約や遺言等で定められますが、一般に福祉型の信託、家族信託では、委託者本人のほか、その身内で、自ら財産の管理等を適切に行うことが難しい人、例えば次のような人が受益者とされます。

  • 高齢の委託者本人、その配偶者
  • 認知症の配偶者

  • 障害を持つ子

  • 未成年の子

  • 浪費癖のある子や配偶者

  • 後添えの配偶者、内縁の妻(夫)

などが考えられます。

家族信託とは

家族信託とは、営利を目的としない民事信託の一種で、商事信託とは異なります。民事信託のうち、信頼できる家族に財産を預け、管理してもらう制度です。

基本的には、委託者と受託者が合意し、契約書を作成すれば成立します。信託された財産の所有権は、受託者に移ることになります。

ちなみに、家族信託では、委託者、受託者、受益者の3名が登場します。委託者は財産を預ける人、受託者は財産を預かり管理する人、受益者は恩恵を受ける人、ということになります。

お父さんが息子さんに財産の管理をしてもらい、その財産はお父さんのために使ってもらう場合は、委託者=受益者=お父さん、受託者=息子さん、ということです。

 

信託財産にできる財産

  • 現金

現金は、信託契約によって受託者に管理・処分の権限が移ります。預貯金は口座そのものを信託財産にはできません。通常、銀行預金は譲渡禁止特約がついていますので、いったん金銭にしてから、ということになります。

  • 金銭債権

貸付金の請求権や売掛金、賃料請求権やリース・クレジット債権なども信託財産にできます。

  • 動産

絵画や骨董品、車両、ペットなどです。ペットは法律上は「物」扱いとなるので信託財産にできます。

  • 不動産

土地、建物の所有権や借地権が信託財産にできます。この場合、受託者が管理・処分を行います。

  • 知的財産権

特許権や著作権などの知的財産権も信託の対象にできます。

※上場株式は、対応する証券会社が少ないので、現状は難しいです。将来的に証券会社が対応してくれれば、可能になってくるでしょう。

信託財産にできない財産

  • 債務

プラスの財産しか信託ができませんので、マイナスの財産である債務は信託ができません。

  • 一身専属権

年金受給権や生活保護の受給権など、一身専属的な権利は家族信託の対象にできません。

家族信託のメリット

  • 財産管理が柔軟にできる

成年後見とはちがって、報告の義務がありません。また、任意後見で触れています「生前事務委任契約」のような、判断能力がなくなる前から、財産管理ができるという面があります。

  • 複数代にわたって受益者の指定ができる

最初に指定した受益者が亡くなった場合、次の受益者をさだめておくことができます。

  • 受託者の判断で不動産の売却など財産を処分できる

積極的な財産の運用が可能です。ただし、相続人や委託者の考えることは、のちのちトラブルを避けるためにも、あらかじめ聞いておいた方が、よいと思います。

託した財産の差押えを回避できる

委託者や受託者が多額の債務を追った場合、託した財産は差押えが免除されます。(倒産隔離機能)

家族信託のデメリット

  • 身上監護は家族信託ではできない

介護施設の入居、病院の入院手続きなど、身の回りの世話はしてもらうことができません。

 

  • 財産が受託者名義になる

デメリットといえるかどうかは微妙ですが、委託者にとってみると、名義が受託者のものになることに抵抗を感じる人もいらっしゃいます。

信託監督人

通常、自分の財産を受託者に託すわけですから、委託者と受託者の間には特別な信頼関係があることでしょう。しかし、デメリットとしてあげたように、自分の財産を無制限に託すことに不安を感じるかもしれません。そのようなときに、受託者を監督する制度が、信託監督人です。

受益者は、受託者に対して監督権限を持っていますが、高齢であるなどの理由で、その監督権限を十分活かすことができない場合も考えられます。そのようなとき、信託契約書の中に、信託監督人を指定すると定めておき、実際に信託監督人を指定して、受託者の監督を行うことが可能です。

信託契約書に定めがなかったとしても、利害関係者が裁判所に申立てることで、選任してもらうことも可能です。

受益者代理人

本来、信託法や信託契約の中で受益者が持っている一切の権利を行使できる人が、受益者代理人です。受託者の監督権限も当然あります。

受益者代理人は、信託契約書に定めがない場合は、裁判所に申立てることができません。

また、受益者代理人がしていされた場合は、本来の受益者は信託法第九十二条各号に書かれている権利や信託行為において定めた権利を除いて、権利の行使ができません。

信託法

家族信託サポート

当事務所では、司法書士や弁護士と連携して家族信託のサポートをさせていただきます。

  • 家族信託コンサルティング

  • 家族信託契約書作成(公正証書の作成をおすすめします)

  • 不動産所有権移転登記

など。御見積は無料ですので、お気軽にご相談ください。

 

行政書士・FP 久米事務所

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