行政書士・FP 久米事務所
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任意後見契約
任意後見契約書原案作成、公証役場打ち合わせ、および公証役場への同行もいたします。
任意後見人に適任者がいなくてお困りの方、迷ってらっしゃる方、ご相談に応じます。
任意後見制度
成年後見制度には、法定後見制度と任意後見制度があります。法定後見制度では、家庭裁判所が後見人を選ぶのに対し、任意後見制度ではご自身が後見人を選ぶ制度です。法定後見制度で選ばれる後見人は、必ずしも親族が選ばれるとは限りません。一度も会ったことのない人や専門家が選ばれることもあります。ご自身がしっかりとして元気なうちに、ご自身で後見人を選ぶのが、人生のしめくくりにふさわしいと考えています。
任意後見の契約
任意後見契約は、契約です。
契約自由の原則に従い、当事者双方の合意により、法律の趣旨に反しない限り(違法、無効な内容のものはダメですが)、自由にその内容を決めることができます。また、任意後見の契約は公正証書で作成する必要があり、また以下の点について明記する必要があります。
① 任意後見受任者
委任者(本人)の判断能力が減退した際、任意後見人として代理権を行使する人。
② 報酬額
有償か無償か。有償の場合は任意後見人の毎月の報酬額。
③ 代理権内容
任意後見契約の際には、「任意後見契約に関する法律第3条の規定による証書の様式に関する省令」の附録第1項様式に基づいて、代理権を行うべき事務の範囲を特定しなければなりません。
※任意後見人には、同意権、取消権は無いため、任意後見契約の代理権内容のみで本人の保護ができない場合には、法定後見制度の利用が必要となります。
任意後見の種類
① 即効型 契約締結後、直ちに任意後見監督人選任の審判
任意後見契約締結後、期間を置かずに任意後見監督人選任の審判を申し立てるため、
契約締結時の本人の判断力が問題になる場合があります。
② 将来型 契約締結後、判断能力が衰えてきた際に、任意後見監督人選任審判
任意後見契約締結後、本人の判断能力が減退した際に任意後見監督人選任の審判を申し立てます。
契約締結から発効までに期間があることが想定され、予定していた任意後見受任者との関係が悪化したり、
疎遠になったり等の事由で、契約が発効できない事態が生じるという懸念があります。
③ 移行型 生前事務委任契約(見守り契約)+ 任意後見契約
契約締結後、本人の見守りを行ったり、契約に基づいて、本人の委任代理人としての業務を行い、
本人の判断能力が減退した場合には、任意後見監督人選任の審判を申し立てし、任意後見監督人選任後から
任意後見人としての業務を行います。
※即効型では、契約締結時の判断能力が疑わしい(契約自体ができる状況にあるのか)という懸念があり、鑑定に時間がかかる場合や、契約自体が無効とされる恐れがあります。
また、将来型は、本人の判断能力が衰えたという判断が遅れ、後見が必要となっているにもかかわらず、任意後見契約が発効しない、できない(空白期間)状況が発生する恐れがあります。
移行型については、普段より見守り契約等で本人と接触をすることで、判断能力の減退などについて適切な判断を行うことが期待できます。後見が必要な状況となった場合には、速やかに任意後見監督人の選任を行うことで、代理契約→任意後見契約にスムーズに移行することができます。
生前事務委任契約について
判断能力が十分あっても身体が思うように動かず、財産管理など日頃何気なくやっていたことができなくなった場合、任意後見契約だけでは対応ができません。
生前事務委任契約は、判断能力が衰える前から代理人に事務をお願いできる契約です。
死後事務委任契約について
ご本人が亡くなった後のことをお願いできる契約です。
具体的には、葬儀、家財道具や身の回り品の整理、入院保証金や入居一時金その他残債権の受領などです。
任意後見契約、生前事務委任契約とあわせて契約されると安心です。
移行型任意後見契約締結後の事務について
移行型の任意後見契約(生前事務委任契約+任意後見契約)の場合、公証役場での任意後見契約書作成によって、
生前事務委任契約に記載の開始時期から委任代理人としての職務が開始されます。
① 職務の遂行に必要な書類等(財産)の受け入れ
契約書に基づいて、財産等の受け入れを行います。
実印・銀行印・印鑑登録カード・預金通帳・年金関係書類・キャッシュカード
保険証書・重要な契約証書 その他、契約の際に合意したもの
② 財産目録等の作成
委任代理人としての職務を開始する際に、財産目録を作成し、金銭の出納状況を確認するため、金銭出納帳、領収書等保管ファイル等を用意します。
③ 金融機関への届け出
金融機関に対して、生前の事務委任契約に基づく代理人としての登録を行います。
④ 必要経費及び収入の把握
家賃・管理費・公共料金・施設利用料・社会保険料などの必要経費、年金収入や資産収入等の収入について、詳細に把握します。
⑤ 医療福祉関係者との連携
任意後見人(任意後見受任者)は、本人の身上監護の事務を遂行するにあたり各種福祉制度の活用や、医療福祉関係者との連携を図る必要があります。
任意後見監督人の選任について
任意後見契約締結後、本人が精神上の障害により、判断能力が不十分な状況に至った時点において、本人、配偶者、四親等以内の親族または任意後見受任者が家庭裁判所に対して、任意後見監督人選任を申し立てます。
申立て後、2~3ヶ月で任意後見監督人が選任され、その時点から任意後見契約が効力を生じ、契約に基づく
代理権の行使が開始されます。
任意後見契約の終了
① 任意後見人の解任
② 成年後見の開始
任意後見と成年後見との関係は、本人の自己決定権尊重の観点から、任意後見が優先しますが、本人の利益のために特に必要があると認める場合に限り、家庭裁判所は後見開始の審判をすることができるとしています。
③ 契約当事者の死亡・破産等
※任意後見契約が終了した場合には、終了の登記を行わなくてはなりません。
基本的な流れ
① 契約内容の確認
・任意後見受任者をだれにするのか
・契約の目的(代理権内容)の決定
・どの類型にするか など
② 必要書類の収集(3か月以内)
・委任者・・・戸籍謄本、住民票、印鑑証明書、実印
・受任者・・・住民票、印鑑証明書、実印
③ 契約書案の作成(ご希望に基づき原案を作成し、お打ち合わせしながら整えていきます)
④ 公証人との打合せ(当職が行います)
・公正証書内容の打合せ
・契約日などの確認
・公証人費用の確認
⑤ 公証役場にて契約書作成(当職も同席いたします)
・公証人費用は当日支払う
費用
当事務所費用:70,000円(税別)
公証役場立会が必要な場合:100,000円(税別)
※任意後見契約作成、及び公証役場打ち合わせ等を含みます。生前事務委任契約と死後事務委任契約は別途それぞれ10,000円(税別)が必要です。
その他、下記のとおり諸費用がかかります。
① 公証役場の手数料:1契約につき11,000円
それに証書の枚数が法務省令で定める枚数の計算方法により4枚を超えるときは、超える1枚ごとに250円加算
② 法務局に納める印紙代:2,600円
③ 法務局への登記嘱託料:1,400円
④ 書留郵便料:約540円
⑤ 正本謄本の作成手数料:1枚250円×枚数 通常10,000円程度
なお、任意後見契約と併せて、生前、死後の委任契約をも締結する場合には、その委任契約について、さらにそれぞれ上記①が必要になり、委任契約が有償のときは、①の額が増額される場合があります。公証役場に確認して、金額をお知らせいたします。